はい。今回は、
「合理的に逆張りすること」と、「ただバカで破天荒・非常識なだけの違い」あたりを書こうかなと思います。
「成功するためには、みんながやらないことをやれ!!」
とかたまに聞きますけど、
この言葉の、もっと深いところを説明していこうと思います。
「成功するためには、みんながやらないことをやれ!!」
これを信じた結果、
ごく一部の人間は本当に周りの人間より大きく成功しますが、
逆にほとんどの場合は「ただ破天荒で非常識なだけの人生詰み人間」が爆誕するわけですね。
どうしてこういう違いが生まれるのか。
結論から言うと、
「勝ち抜くための合理的逆張り」というのはこれあくまで
「結果としての逆張り」でしかないのだよね。
「逆張りをすること自体が目的」ではない。
「AとBの選択肢があって、世の中のスタンダードはAでみんな思考停止でAを選択するけど、
バイアス抜きに合理的に考えたらBの方がいいよね」というときにBの選択肢を取った。
結果、逆張りになったという、そういう話なんだよね。
だから、世の中のスタンダードのAの方が合理的ならAをとればいいし、
「なんかAが流行っているから俺はとりあえず逆のBを選ぶぞ!」というのは、
「勝ち抜く選択」ではなく、「ただ破天荒なだけ」というわけです。
例えば、東大生の圧倒的多数派は「東大→超一流企業もしくは一流企業に就職」というルートだから、
俺が東大から就職しないで個人で独立して仕事しているというのも、パッと見では「ただの逆張り」に見えるかもしれない。
けど、これは別に
「なんかみんな普通に就職してるから、
逆に就職しない方がアウトローで俺カッコいいんじゃね!??ビヨーン!」
みたいなノリで選択した訳じゃないのです。
そうじゃなくて、
「俺的にフラットに考えた結果、俺の思い描く人生を実現するためには、就職するより独立した方が合理的じゃない?」と俺は確信したから、就職しなかったわけだね。
だから、ただ「いきなり全てを捨ててバンドマンになるぜ俺は!」みたいな破天荒な考えでのめちゃくちゃな逆張りと、
「勝ち抜くための合理的逆張り」はまるで違うというわけです。
別に自分は、
「とにかくみんなと違うことがしたい」
「なんでもいいからみんなの逆をしたい」
というわけではなくて、
「自分なりに考えた結果、これが俺にとって合理的じゃない?」と確信した選択を取り続けているだけなので、
世の中のみんなと同じ行動でも、それが合理的だと思ったら全然やるし、
逆にみんなと違うことだとしても、フラットに考えてそっちの方が合理的だと思ったらそっちを選ぶ。
それだけの話ということです。
例えば、就活のときに奇抜なファッションで面接を受けるということについて。
「今の自分の目標は、とにかく行きたいあの企業に行くことだ!」
という人がいたとします。
で、その人が奇抜なファッションで就活に挑んだとします。
この「奇抜なファッションをする」というのが、
「冷静に考えた結果、奇抜なファッションの方が行きたいところに行ける」と思ったから奇抜なファッションにするなら、これは合理的逆張りなわけですね。
ただ、全く考えもなしに
「なんかみんなカタい服装でいるから、自分は派手派手で行っちゃお~笑」
というだけで奇抜なファッションを選ぶのは、これってただの思考停止の破天荒なわけですよ。
何が合理的選択かというのは、各々の目的によって変わってきます。
例えばカタめの大企業に行きたいのであれば、カチッとした服装で行く方が絶対合理的だし、
逆に奇抜な服装ファッションの方が「キミ面白いね!」と思われて取ってもらえる可能性が高い会社に自分が行きたいと思うのであれば、奇抜なファッションを選択する方が合理的です。
「自分のゴールに向かうには、どの選択肢が最適か?」というのを考える。
考えた結果、「奇抜なファッションをするべきだ」と確信して奇抜なファッションをした。
これは「人と違うことをやれ!」の正しい在り方なわけだね。
ただ、この考える過程を挟まずに、
「なんかみんなと違うことがしたいからとりあえず逆を行く!俺って常識に縛られなくてカッコいい!」
というのは、これはただの破天荒と言うわけですね。
- 常識的かつ合理的(右上)・・・皆と同じことをやることで無難に勝てる。ただし大きく勝つには激戦区となりがち。
- 非常識かつ合理的(右下)・・・常識の逆張りをすることで大きく勝ち抜ける。ただし常識に反したことを思い切ってやるには、「これこそが合理的だ」と確信を持てるだけの熟考が必要となる。
- 常識的かつ非合理的(左上)・・・現状をフラットに分析して改善する必要あり。
- 非常識かつ非合理的(左下)・・・…うん。
考えた結果、常識の逆を行くことと
思考停止でなんとなくみんなの逆のことをすること
これ、パっと見は同じに見えるかもしれないけど、
裏側に潜む思考回路まで踏まえると、全く別物である、というお話でした。